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ウィズダムの目2003年7月号 


7月の本について

 
印象残るのは、“大遺言書” 語り森繁久弥 久世光彦(新潮社)。筆者の高校生のころ、正月映画と言えば、この森繁さんの“社長シリーズ”でした。まだ、日本が成長期であり、すべてが希望にあふれていた時代です。世の中は景気もよく、筆者の父も母も元気で、兄弟も元気にして、朝の食事がにぎわい楽しい時代でした。森繁さんの“7人の孫”などの裏ばなしや、森繁さん自身のことも書かれています。89歳をすぎても元気であるのことを本を通して伝わり、大変面白く、まだ森繁さんが元気である理由がわかります。とにかく食べるということがわかります。それと、90に近い歳でありながら、何かを創ろうという気力や眼力があることです。眼に力と輝きがあります。でも最近では、森繁さんをテレビで見ることはありませんね。でもあのすばらしい情感のこもる歌を忘れません。そんな歌声も聞こえてきそうな本がこの「大遺言」です。

一冊感動すると同じ著者の本を読みたくなりますね。それで五反田にあるブックオフに長男と散歩を兼ねて森繁さんの本を探しにいきました.それで見つけたのが、“人師は遭い難し”という70歳の時に書かれたエッセイです。しかも、楽屋で書いたものということが表紙の写真のところに書かれています。70歳で舞台をやりながらこうした本をまとめてしまうあたりの時間の切りわけに驚きますね。しかも、その内容は豊かなエッセイとなっています。でもなかなか手に入らないと思います。

ブックオフというのは不思議な本屋さんですね。それでついつい本も買いすぎてしまいます。この前、オーデコロンのことを書いたサンタ・マリヤ・ノヴェッラについて詳しく書いてある“素顔のフィレンツェ案内(中嶋浩郎・中嶋しのぶ)”という本にも巡り会い、再度、フィレンツェに行きたくなりました。ハンニバルの舞台になったあのフィレンツェです。サンタ・マリア・ノヴェッラは教会名であると同時に駅の名前でもあるのです。ローマから列車でフィレンツェに着くのがこの駅で、過去にこの広場を歩いたことがあります。不思議と、その記憶はありません。ローマいたのは、イタリヤの人工知能の会議の招待講演を終え、そのまま、ピサの斜塔をみてからフィレンツェの観光に行き、美術館に行ったということぐらいしか記憶にありません。このときの写真を載せてみました。このフローレンスのことを描いた、我が青春のフローレンスという映画が好きです。ハンニバルよりはるかに名画です。それで、いつかはと思いこの本を買い、じっくり町を歩いてみたいと思います。よく書かれている本です。

その本棚の裏側にあつたのが“贅沢の探求(ピーター・メイル)”です。南仏のプロバンスを書いて世界的なベストセラーになった著者の本で、これも買ってしまいました。贅沢とは何かのノウハウが満載の本で、なるほどというものです。贅沢とというのは習慣(expensive habits)なのだというのは、この本を読むと納得します。この本にでてくるロンドンのコノートホテルには一度宿泊してみたいと思うようなホテルが描かれています。特に、このホテルのバーラウンジでウィスキーを飲んでみたくなります。指1本や眉を少し動かすだけで、ウェイーターが近づき、お代わりがくるという、また、ウェイターは自分の歩幅を計算して、飲み終わるのを計算して、最後の一口を飲み干した客の眉が見える位置にかならず現れるという。サービスとは何かを知り尽くしたウェイーターがいるというホテルらしい。また、そのホテルの朝食もすばらしく、英国は食べるものは“まづい”という風説をくつがえす内容のようである。もちろん相当にホテルの宿泊費は高そうであるが。

7月に読んだ本はまだあるが、非常に印象的だったのが、毎日新聞科学環境部がまとめた“理系白書”です。本の帯が衝撃的です。“政財界のトップは文系が独占、霞ヶ関でも技官の出世は局長止まり。社会で幅をきかせる文系の前に、生涯賃金格差は5000万円とも。高校や大学では、数学と理科ができる“優秀な子”が理系に進んだはずなのに・・・。”というのに惹かれて買いました。日本の高度成長を支えながらも文系優位の社会でかすむ理系。確かに文系より理系のほうが大学では多くの勉強や実験をしています。それで、深刻な科学離れが叫ばれても、もうしょうがない状況かもしれません。いまは産官学やベンチャーなどと騒がれ、経済の活性化が叫ばれていますが、理系の学生は何か白けています。それは、まじかで理系が文系より報われていないことの実感かもしれません。島津製作所の田中さんのようなことが起こることはもうないでしょうから、新聞が騒いでも、なかなか理系にもどる小学生は少ないでしょう。大学でも講義で感じるのは、なにか動機の弱さや勉学の志のなさかもしれません。これはもちろん教える側の年齢や元気の度合いによるかもしれませんが、なにか情熱や迫力を学生から感じられません。この白書を深く読まなくても、だいたいの予想ができてしまうのがいけませんね。もうすこし、ポジテブな形で白書をまとめてほしいものです。そうでないとこういう白書はさらに理系離れを生むということになります。政財界や霞ヶ関は関係なく、サイエンスの面白さをどのように伝え、それを研究者がどう取り込んでいるかの側面から取り上げるべきというきがして、途中で読むのをやめにしました。理系はやさしい本でなく、難解でも真実に近づく本の世界を理解できることを誇りにすべきです。そうしたやさしい解説本や売れ筋を狙う本を買うのをやめ本当の専門書を読みましょうというのが筆者の感想で、そのためにまづ挙げておきたいのがつぎの英語の専門書です。

John C.Mitchell, Concepts in Programming Languages (Cambridge Univ. Press. 2003)。これはスタンフォード大学の講義資料をもとにして書かれた本で、プログラミング言語を横断的にみて、その言語の特徴などをコンセプトとしてまとめた本です。去年の秋に、この著者とセキュリテイの会議で一緒でしたので、それだけ親しみがわきます。それとこの教科書にある言語の作成者の写真とそのエピソードは工夫されています。この著者も飄々としていて、カミソリのようでなく非常によい先生という印象でした。セキュリテイの理論的なことを研究していますが、大学ではプログラミング言語(CS242, スタンフォードの講義名)を教えているようです。この本には現代のプログラミング言語がすべて書かれています。人工知能で盛んに使われたLispから論理型言語Prolog、それにJavaまで。世の中にはできる人がいるものだとという感じです。




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