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ウィズダムの目2003年5月号 


最近読んだ本について


 なかなか興味深い本が佐々木千賀子さんの「立花隆秘書日記」です。ノンフクションライターの立花さんがどのように、資料を収集して、それを使っているかなど知られない部分がこの本に書かれています。今は過去の人になってしまった“田中角栄”に関連する出来事やテレビ取材などは、いまとなっては、それほどエキサイテングなものではありませんが、そんこともあったのということが書かれています。
 いまは、ノンフクションの本はそれほど売れないと思います。売れるとしても、いま騒ぎの“SARS”に関連する免疫の本などでしょう。ゲノムの話題やロボットも風化しつています。なにが旬な話題かがむづかしいところですね。戦争についてもあれだけCNNでとりあげられれば、もう本を読むという人はいないでしょう。それだけ早く直接伝える能力があるのが、テレビですね。
 でも立花さんという人はすごいひとですね。その創造過程をしるだけでもこの本は価値があります。それで再度、「電脳進化論」(朝日新聞社、1992)を読みかえして見ましたが、内容的によく分析されており、現在のグリッドコンピュータの背景やスーパーコンピュータを知ることでも重要です。コンピュータの能力は10年たつと、1000倍になると言われていますので、ちょうど、この本か出版されてから10年がたつ現在では、コストも安くなり、性能も向上しています。それでも当時のことが書かれており、個人でスパコンを持つていた先生の話はすごいとおもいます。流体力学研究所という個人の研究所で自宅にスパコンを4台、当時の金額で100億ぐらいのものということも触れられています。いまはブレードサーバのような小型で省電力のコンピュータが開発されていますので、これからは個人でもスーパーコンピュータを持つ人や企業が増えてくると思われます。
 そういえば、立花さんは、最近、文藝春秋で、「ロボット大国」日本の盲点という記事を書かれています。研究費の問題ではなく、ロボットを使う実用化の意識が米国と日本ではかなり違うというのが筆者の考えで、動機が“鉄腕アトム”であるかぎり、ロボットの研究は玩具や趣味の域をでないのではないかと思います。一般うけには鉄腕アトムはよいかもしれませんが、やはり、どの程度の計算パワーを必要としているののかの問題や、人間の脳の制御など、例えば、アテンションと眼球運動などにおける情報処理などの基礎的な研究の解決が必要と思います。デモ中心で、それもそれほど深い内容のデモでないときに普通の人の持つ落胆こそが、盲点かもしれません。それにしても、“みかけだけの先進国”というタイトルをみたロボット研究者はさらに、鉄腕アトム誕生にうかれてないで、もつと真剣に研究しなければならないといえましょう。
 軽い本では、吉永小百合さんの「旅に夢みる」というエッセイ集です。文章もさらりとしていて、いいですね。筆者は別に“小百合二スト”ではありませんが、時代の流れでは、共通するものが感じられます。本にあるセピアカラーの写真の中の俳優達や子供の時代の写真は、自分のアルバムの一部のような感じがします。カラー写真は別の感じですが。吉永さんの住まいだったところは予備校やら、昔の友人がいたところで、なおさら懐かしく感じられます。そうしたエッセイがこの、“旅に夢みる”です。この本を読まれる方は、吉永さんが、非常に豊かな時間を過ごされていると感じるでしょう。感覚的に、私達が旅にあこがれるのと同じだからでしょう。
 もう一冊は、“アメリカを創ったベンチャーキャピタリスト”ウダヤン・グプタ(浜田康行解説、楡井浩一訳、翔泳社、2002年2月19日発行)です。この本は米国のベンチャーキャピタリスト25名へのインタビューをまとめた本です。米国の元気の元が分かる本です。日本の金融が不良債権で苦しんでいるのとは対象的で、米国が人や起業にいか努力して、そうして産業を育ててきたかがわかります。日本は土地や不動産というものをベースにしてきたツケをいま払わないといけないのです。大学発ベンチャーといつてもいきなりは無理なことは、この本を読むとよく分かります。それはベンチャーカピタリストの多くがハーバード大やプリンストン大のMBAを取得して、かなり経営についての専門家であるということが分かる。もちろん技術についてもある程度の見識をもっている。それにベンチャーの基金のもとになる資金は富豪(例えば、ロックフェラーとか)と呼ばれる人たちからのものであり、日本には、そうした富豪は見当たらないようである。だから国の補助金をベースになるという不自然さがある。日本はまだそうした富豪レベルにないようで、ある程度企業として、成功しても、その余剰金でベンチャーの基金にするといつても長続きしないような感じがします。それとベンチャーをやる人は、お金ではなく、産業を起こすという人であることが分かります。お金ほしさのマネーゲームではない人が起業家なのでしょう。株公開で儲けて、マンションを買うという程度では駄目なのです。
 以前にも、“リアルストーリオブベンチャーキャピタリスト(ルーサン・クィンドレン、2000年5月31日)もありましたが、その中で、いかにリスク(危険)をとることが必要かについて触れられていました。いづれにしてもベンチャーの中身やキャピタルの存在を知るにはよい本です。筆者はいまから5年ほど前にサバチカルでスタンフォード大学に研究員として滞在したことがありますが、このとき、投資銀行のハンブレスト・クエストという銀行が主催するソフトウェア関係の投資のための集まりに参加したことがあります。この集まりは世界から投資家が集まり、また、そうした投資家にビジネスプレゼンテーションをするというものに参加しましたが、それはすごいものでした。起業家の売り込みと投資家のするどい質問のバトルなどこれが資本主義だなと実感しました。その業界の分析はソロモンブラザースやゴールドマンサックスなどの資料が参加者にどんどん配布されます。その中で、プレゼンする企業がどのような位置づけかを分析されており、その資料をもとに、その社長が今後の見通しをするというものでした。そのときの企業はすでに消えてしまったものもあります。また、大きく飛躍した企業もあります。そうした背景には必ず、ベンチャーキャピタルがからんでいることは確かです。しかし、日本にはこうような本はないですね、出版されていても、せいぜい、創業者に会いにいくみたいなインタビューもので、成功談ばかりで、ほとんど内容のないものばかりで、成功者の顔ばかりがやけに目立つものが多いですね。以前取り上げた米倉先生の本も同じような内容のような気がします。


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