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ウィズダムの目 2003年1月号 


本の紹介


CDを取り上げたので、年末から新年にかけて読んだ本を紹介してみよう。

ところで、今年度の3年生の溝口ゼミナール(東京理科大学理工学部経営工学科溝口研究室)では、工学的な技術書でなく、Ueli Looser, Bruno Schlapfer「New Venture Adventure(Amazonへ)という本を取り上げました。これは昨年、MITでのセキュリティの会議で、学生向けの書店で見つけた本ですが、ベンチャースタートについて具体的に書かれています。この本はマキンゼーのベンチャーコンサルテングに基づいて書かれた本です。現在、新聞などで盛んに大学発ベンチャーということが叫ばれていますが、不思議なことに、入門書やどのようにスタートするかの指導書は何もありません。それでは、ベンチャーのスタートは無謀といえるでしょう。自分でベンチャーを創りたい人には、この本はお勧めです。といっても英語なのでざつと読むのも大変で、いかにあるパワーポイントを参考にするとよいでしょう。

今年度の3年生のゼミナールは、この本を読んで、それをパワーポイントでスライドにし、それを説明することで、どのようにベンチャーがスタートされるかを知ることが目的です。そして、さらに自分のアイディアでベンチャーを企画するといった内容で行いました。本を読む前に、全体の概要を溝口がパワーポイントを作成して説明して、全体として何が書かれているかを紹介しました。そのスライドはここからダウンロードできます。

学生達は今まで経営のことはほとんど知しませんので、このような本を読むことや、ベンチャーのことを考えることは、技術と経営を学べてよかったという反応でした。ベンチャーのスタートについては、MBAのコースなどがありますが、工学系のカルキュラムではなかなか触れられないのは、よい教科書や事例がないためと思われます。それと事例がないのでビジネスプランをどのように書けばよいかがわからないことが多かったようです。今回のゼミナールの結果から、参加者13名の事例が蓄積できたことになり、この種のコースを作成する基礎ができたと考えられます。

このゼミナールの学生のベンチャーは、すぐにでもビジネスにつながりそうなものもあり非常に興味深い内容です。それだけ学生も考えればできる証拠といえるでしょう。ただし、現状では自分でベンチャーを始めるよりも会社に就職する学生が多いのは、まだ、いろいろな環境ができていなためと思われます。ベンチャー資金でも、結局は創業より上場による資金回収で、利益をあげることが目的のところが多く、エンジェルとなりうるところが少ないことが過去の失敗例からも理解できるでしょう。研究室の学生でも時期が早く、それでベンチャーの失敗例があります。

結局、キャッシュフローを考えない経営はすぐに息詰まることになります。人を雇えば給料を払わなければなりませんし、事務所もそのお金を考えないと支払えないことになってしまいます。人件費、事務所代、もろもろの経費をどうするか、すぐに考えないといけない問題で、そこを解決できないとベンチャーはすぐに挫折することになるでしょう。そのことはベンチャースタート時には何も語られない部分です。そして上場したとしてもそのための経費は1億以上かかるのであります。その経費はIR経費といわれていますが、1億以上の利益を出すことがどれだけ難しいか、すこし考えただけでも大変であることが理解できます。投資家は上場すれば何倍かの株価の値上がりがあり、相当の利益になるにしても、会社の経営はそう簡単に利益を出すことは難しいのです。だから簡単にベンチャーをスタートするという企業家精神をマスコミが騒ごうと、なかなかスタートできないのは、いろいろなリスクがあるためです。でもリスクをとらないとベンチャーといえないので、そうした精神の強さがなくなっていることが、日本の活力のない点かもしれません。やはりうんと先を見る力がないと、なかなかベンチャーに進めないのは当然といえるでしょう。しかし、その前にどのようにスタートさせるかの常識が必要であり、そのために読む本がこの「New Venture Adventure」なのです。

現在新聞などでベストセラーと言われているダイヤモンド社のエイドリアン J スライウォツキー 著, 中川 治子 翻訳「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」(Amazonへ)を読んでみたが、なぜベストセラーになったかよく分からない本です。この本は若いビジネスマンがチャオと呼ばれる経営のベテランから教わるプロフィット、つまり利益についての物語を、対話風の授業形式で、なにかビジネススクールの個人指導版のような内容です。毎回、読む本が指定されており、本当は、そうした本も読みながらこの本を読まなければならないような形式ですが、全部の本を読むわけにいきませんので、さらりと読むだけに終り、結果として、利益のいろいろなモデルがあることを知るだけで終わってしまします。

そうした利益モデルがあることを知ることには意義がありそうですが、具体的にどうするかは書いていません。それは読者が考えることなのでしょう。自分の会社などがどのような利益モデルなのかを考えるにはよい本と言えます。著者は、関連する本も含めて吟味しながらこの本を読みなさいということが本音で言いたいところでしょう。

この本と同じコーナーに置かれていた本として、イノベーターはもう少し具体的です。しかも物語風で、なかなか読者を捕らえてはなさないテンポと書き方です。買収されないために、利益をだすというストーリーで、組織改革や製品設計などが計画されます。この本も他力本願でなく、自力で組織改革を進め、買収されないレベルの会社に変えるというところがポイントと思われます。

こうした努力の本で読み応えがあるのが、ルイス・V・ガースナー 著、山岡 洋一、 高遠 裕子 翻訳「巨像も踊る IBMの奇跡の復活劇」(Amazonへ)です。あの優良企業のIBMがつぶれるぐらいになつた背景やそれからの復活が詳細に書かれており、たとえ、成功した企業も顧客を忘れると本当につぶれそうになるのだという事例でもあるのです。

そういえば、大型コンピュータを扱っていたDECも消滅しましたので、こうしたことは良くあることだ実感します。世界一の航空会社のユナイテッドさえも倒産するじだいですから、企業努力しないところ、それはその構成員が努力しないところは、結局、そうした憂き目にあることになるということでしょう。

やはり経営者が書いた本として、出井伸之さんの「非連続の時代」(Amazonへ)を読めば、社員の意識改革の重要さが分かります。IBMでさえ一つの成功のために進歩が止まってしまったほどですから。まして、日本のような保守的な国では、一つ成功するとどうしてもそれが、そのほかの改革をとめてしまうことがよく起こります。ソニーのような輝いている企業でもそれを経営する会長、CEOは大変なのだなというのが良く分かります。連続と非連続の違いを見極め、非連続から新しい事業、連続してたえまなく利益を追求し、このバランスをうまく保ちながら常に、N0.1にいることの難しさが感じられます。でもそれができるところがソニーという企業なのだということが分かります。

この4冊はだいたい1週間で読んだ本ですが、現在も読んでいるのが、山田淳郎さんの「ブランド力」(Amazonへ)と、スコット ベドベリの「なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?」(Amazonへ)という本です。ブランドに関しては、山田さんの本は具体的ですし、説得的です。

これらはすべてビジネス書でしたが、朝吹登水子さんの「豊かに生きる」(Amazonへ)という本も参考になります。このような豊かな生活、人のネットワークがある人もいるのだ、それに、本の中の写真もよいですね。カラー写真だったり、セピアカラーの写真だったり本当に豊かな感じがよくでています。朝の風景や紅茶の話、その容器の話など多彩です。朝一番、何をするかというときの取り組みの楽しさ、多分、その瞬間が一番豊かさを感じるときではないかと思われます。それがあふれているの感じの朝吹さんが書斎に向かい、何か書き始めようとしている本の表紙の写真は惹かれますね。



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